・戯曲全体について→1、戯曲について・はじめに→戯曲とは何か。

戯曲とは、芝居の脚本です。
私の解釈で正しく言うと、「芝居の脚本となるもの」です。

本屋に並んでいたりネットに公開されている、どこの誰が上演するかまだ定まっていない状態のものは「戯曲」で、特定の劇団が「この戯曲を上演しよう」と、劇団員に配るものは「脚本」もしくは「台本」だと思っています。

芝居を作るにあたって、この戯曲選びというのはとても重要です。
どんなに素晴らしい劇団でも、戯曲がつまらなければ公演もほぼつまらないものになると思いますし、戯曲が面白ければ、多少技術が稚拙でも面白い公演になったりします。


公演に使う戯曲を選ぶ方法は、二つあります。
一つは、既存のものを探し出すこと。もう一つは、自分で書くことです。

既存のものを探したいなら、まずは大きめの本屋へ行くのがいいでしょう。
プロが公演に使った戯曲や、高校演劇向けに書かれたような戯曲が売られています。図書館にも、それなりの数が揃っているでしょう。
またはネット上にも、アマチュアの書いた戯曲を公開しているところがありますから参考にするのもいいかもしれません。

書きたいなら、まず、読むことです。もしくは、芝居を観ることです。
戯曲をほとんど読んだことのない人が書くのは無理です。少なくとも上演できるレベルのものを書くのは非常に困難です。
それは、小説を読んだことのない人が小説を書くのと同じです。


当たり前のことですが、芝居も戯曲も「作品」です。
公演をするあなたは「客に対して何を伝えたいか」をまず最初に考える必要がありますし、戯曲を作り出す人間は、そこに何らかの「気持ち」を込めます。

「気持ち」には色々あって、ただ単に客を笑わせたいというものだったり、これこれこういう風に感動させたいというものだったり、虚脱感を与えたいというものだったりします。
戯曲一つ一つに方向性があって、どういうものを求めているかによって選ぶ戯曲・書く戯曲が変わってきます。


初めは無目的に読みあさったり書いたりするのも大事ですが、いざ公演となると明確な方向性があったほうが後悔しないで済みます。
この項目では、主に戯曲を「書く」ことについて、どうすれば書けるかを私なりの考えで書き綴りたいと思います。