・芝居全体について→1、芝居を始めるにあたって→上演までの流れ。

上演日や役職割り当てなどが決まったら、そこに向けてスケジュールを立てましょう。
例えば十二月二十四日から二十六日を公演日と定めたら以下のように考えられます。


11月1日 稽古開始 読み合わせ。
2日〜16日 場面一から五。
16日〜30日 場面六から十(最後まで)。
12月1日 通し。
2日〜16日 完成度の低い場面を重点的に。
17日〜22日 通しを繰り返して弱いところを補強。
23日 仕込み。
24日〜26日 本番。


あくまで例ですが、説明していきます。

最初に台本を十の場面に区切り、二週間で半分をこなします。
やり方としては一つの場面ごとに演じていきます。
次の二週間でもう半分をこなし、終わったら、通しをやります。
通しとは最初から最後まで続けて演じてみるというものです。部分的に作ってきたものを全体的に俯瞰するという意味でとても重要です。

その後通しを見てできてないところを抜き出し、完成度を上げます。
場合によってはできていないところを捨て、できているところを伸ばすことになるかもしれません。
最後の一週間は通しをして「全部を演じきる」ことに慣れます。

前日は舞台の仕込みで、実際劇場に舞台美術などを配置します。
次から本番です。


と、とりあえず書いてみましたがこれを見てのとおり公演の前日に仕込みが必要です。
前日というか、本当は三日くらい前から入って色々調整したいところです。もっと言えば、一ヶ月くらい前に一度借りて試せるものなら試したいですね。


あと、上に書いたのは役者的なスケジュールでスタッフについてはまた別です。
大体上の例で考えれば十二月の最初にはスタッフ完了日(通称スタ完)を迎えたいところです。ひとまずそこで仕事を終え、残りの時間で調整していくのです。
稽古を進めるにつれて、変更点などは恐らく幾つも出てきます。そのときに仕事を終えていなかったら新しく出た仕事をする時間がなくなるのです。





蛇足ですが、作・演出をする方で台本が完成するのが本番前日とか当日という恐ろしい人がいます。
戯曲を書く身として気持ちは解らないでもないですが、変更ならともかく「できてない」というのはいかがなものでしょう。
精神衛生上の問題から言っても、芝居初心者の方はまず既成の戯曲を扱うのをおすすめします。