・芝居全体について→1、芝居を始めるにあたって→必要なものを用意しよう。

芝居について具体的に書いていきます。

「始めよう」と思ったときに何が必要なのか。
目的が「公演」だとすると、どのような公演を行いたいかを具体的に考える必要があります。

まず、公演を行おうと思ったら最初に考えるべきことは、


・役者人数
・使用台本
・公演場所


この三つです。

人数と台本には密接な関係があります。
例えば三人、と決めたら三人の台本を探します。
「この戯曲がやりたい」と五人の戯曲を持ってきたら人数は自ずと五人になります。

また、戯曲を決めるときはキャスト数だけでなく上演時間も考慮しましょう。

あと芝居の場合どこでやるかも重要です。公演場所が公共施設のホールじみたところなのか、民間の百席前後の小劇場なのか、はたまた公民館などの施設なのか、もしくはカフェやライブハウスなのか、という具合です。野外という選択肢もあります。
もし演劇を専門に行う施設を借りるなら、半年くらい前には予約を入れないと借りられません。というのは、すぐに埋まってしまうからです。地域にもよりますが、三ヶ月前くらいに公演場所を探しても見つけ出すのは難しいでしょう。

公演を行う場所によって、次に決めるべき必要なスタッフ・道具などが決まってきます。


それで、上に挙げた三つを


・役者人数:三人
・使用台本:CAST三人、上演時間六十分
・公演場所:民間の小劇場


と決めたとします。
次に考えねばならないのは以下です。


・公演参加人数
・経験者の割合
・稽古期間


役者人数と同じという場合もあり得るでしょうが、公演参加人数はそれより多いほうが絶対にいいです。
経験者の割合も、ゼロならゼロでいいですが、やはり厳しいです。
一番重要なのは稽古期間ですが、大抵一ヶ月から二ヶ月くらいが標準です。

で、公演参加人数五人、経験者の割合一人、稽古期間一ヶ月半と決めたとします。
最初に決めた「公演を行う」という目的は、「下記の条件で公演を行う」という目的に深化しました。


・公演参加人数五人。
・経験者一人。
・役者三人。
・上演時間六十分。
・上演場所は百席の小劇場。
・稽古期間一月半。


外枠が決まったらあとは細かい部分を考えます。
ここからは戯曲を読んで考えるのですが、それはスタッフの項で詳しく触れます。


ここまで読んでいただければ解ると思いますが、とにかくなければならないのは「人、場所、時間、金」です。
必要な人数を揃え、公演場所と稽古場所を確保し、必要なだけの時間を割き、必要なだけの金を用意する。

この四つがあれば芝居はできます。或程度ちゃんとした公演をするなら、最低限の目安は「七人、百席前後の小劇場、一ヶ月半の時間(休日のみでもできないことはありません)、四十万」だと考えています。詳しいことは書きませんが、これだけあれば芝居はとりあえずできます。

この四つのうちの何かを揃えられなくて、やめていってしまう人もたくさんいるんですけど。かく言う私も現時点ではそうです。

だからまあ、ちゃんと芝居を始めようと思ったら本当はどこかの集団に入るところから始めたほうが無難です。
ゼロからこの四つを揃えるのは相当しんどいのです。
逆に、今もう既にこの四つもしくは三つくらいまでは揃っている人。あなたは今、とても幸せな環境にあるのだと思って下さい。


できることなら私も、もう一度この四つを揃えたいと思っています。